「俺の家の話」7話感想【秀生のメッセージ誤字りまくっててダイイングメッセージかと思った】※ネタバレ有

最近の踊介はぶっ飛んでるお花畑な人だったので、今回の弁護士として働き寿一を慰める姿に「ああ、この人そういえば本当は普通にできる弁護士だったな」ということを思い出しました。すっかり忘れてた。


ドラマの初めの方でさくらの身元を疑い、AさんだのBさんだのCさんだのとのこれまでさくらが関わってきた事の経緯を調べ上げたのは紛れもない踊介だったのだ。


だけど最近は脈無しにも全く気づかないし、
1歩間違えば迷惑防止条例違反とか、
すごいレベルの勘違い男を取り締まる系の何かに引っかかってしまうのでは?
と心配になるほどの一方通行な恋心に震えるやばい人になってた。


能のセンスがからっきしなこともバレちゃって、
寿限無の格付けは栄えある最下位、
心のラブポエムも1周回ってうまい・・・うま、いのか・・・?と錯覚しそうになるほどの痛烈なダサさ、
実は観山家3兄弟で1番やばいのはこいつではと思うくらいのあれだった。


だからかな。今回の踊介はめっちゃ格好良く見えたような。
早川くんのちゃちゃに「法律上は問題ないんで」とさらっと対応できててさすがでした。


というか早川くんね。早川くん。
意識高い系の悪いところを濃縮還元しましたみたいな、
自分の理想は当然現実になって然るべきと根拠もなく考えているみたいな、そんな早川くん。
早川くんにイラつけばイラつくほどこの後の物語に感動するはずだ、
そう思いながらクドカンの手のひらでコロコロ転がりながらイライラさせていただきました。


そしてユカちゃん。てっきりプエルトリコに行ったきり音沙汰がなかったことが決定打になったと思ってた。え、違うの?
帰ってきたから嫌だったの?
それって旦那が単身赴任に行ってて悠々自適だったのに
帰って来て家の中にいるのが嫌で離婚・・・みたいな感じ?


そういう感じで寿一が親権問題で揉めている一方。
観山家の家庭内でも新たな問題が勃発した。
福島旅行で観山家のメンバーのわだかまりが解け、
寿限無の寿三郎の呼び方が「親父」になり、
寿限無が寿三郎たちと一緒にフルーツサンドでおやつタイムして「お口が女の子になっちゃう~」とか、立膝で飯食べたりヘビメタガンガンかけてたあの姿は幻?と思うほどほっこりムードだったのも束の間、
寿三郎の認知が進んでいる疑惑が。


検査のために一時入院した寿三郎の部屋から出てくる出てくるエロ雑貨。
エロ雑誌とエロトランプとエロペン。
こういうの昔あったよね!
知ってます?バレンタインの時期になると催事場でいろいろなチョコレートが販売されてる。
その中にエロ系チョコばっかり集めた一画があったこと。
最近は見なくなったけどそういうのあったの昔。


海外のセクシーなおねえさん写真がプリントされたパズルみたいなチョコでね。
のバスト部分だけ♡とかになっててね。
見たい?とか書いててね。
その部分のチョコ裏返すとちゃんと出てくるの。
お父さんにあげる用で買って自分で確かめたから間違いありません。
なんかそういうオープンな明るいエロを感じました。エロトランプとエロペンから。


でも明るいエロ雑貨が続々見つかる一方、
高い面や衣裳は全く見つからないわけで。片っ端から空っぽになっているわけで。


寿三郎が皆のあずかり知らぬうちにホイホイ配りまくってるんじゃないかって、
いよいよヤバい状況なのでは?みたいな空気になってるとき、


プリティ原や末広さんもそうだけど、
こういうときに親族以外の言葉が助けになったりするんだね。
秀生の親権問題。
寿三郎の認知症進行疑惑。


今日もさまざまな問題に直面する寿一を肯定するさくらの温かい言葉。
さくら・・・変態は変態でも人の心がわかる、寄り添えるタイプの変態。
山賊抱っこで「あ、やだ・・・あ・・・嬉しい・・・」って呟き、明らかに変態なのに可愛く見えるのは戸田恵梨香だからだな・・・。


そしてさくらの励ましによって浮上した寿一は、
見事な機転によって観山家内に侵入した小道具泥棒(お弟子さん)を捕獲。
寿三郎が小道具をどこにやったのか全く覚えていないという話は
泥棒を油断させるための寿三郎の嘘だったことも判明。
なーんだあ!それなら一件落着ですね!


とはならなかったんだなあ。
しっかりしている部分もあるものの、入院中の検査の結果、
寿三郎の状態は確実に悪化していることがわかってしまった。
まだまだいける!そう思ってた寿三郎の症状が確実に進行している事実に直面し、寿一はどうしたのか。


ユカちゃんに土下座しに行きました。
秀生がなぜ観山の家に来ないのかたびたび寿一に尋ねる寿三郎のために。
家族のために体を張れる男、観山寿一。


そしてそんな父の姿を見て、かつてはプロレスラーに憧れ、今は能に惹かれ、つまりは父のような人になりたいのだとしたためた秀生の作文。傑作過ぎるだろ・・・


寿一も泣いてたけど私も泣いてた。
そういえば前いた会社の同僚が、
マスクはウイルス対策のほかに、保湿と髭隠しもできるって言ってたけど、
涙拭くハンカチにもなるんですね・・・。

 

「君と世界が終わる日に」7話感想【甲本ミンジュン好き過ぎだったんじゃないかよ】※ネタバレ有

今回は「あれ、この人ワープした??」と若干混乱するようなタイミングで出てくる人が多かった。
「猿ノ島と駐屯地ってお隣さんでしたっけ?」くらいの勢い。


まずワープした人その1。御前崎さん。
響が自分の母ゴーレムを発見、
(拘束されている姿がいたたまれなさ過ぎたのか)拘束具を全て破壊し、
母ゴーレムを始末しようとするもやはりできず、
(絶望と混乱で正常な判断ができなかったため)檻の扉を開けたままフラフラとその場を離れた。
ちなみに()内は全て私の推測する補足です。


我を忘れ動揺しまくる響の前に、なんと!何故か御前崎さんが登場。
え、いつ?いつ来たの?どうやって来たの?
なぜピンポイントでここに?
御前崎さんは謎の注射(多分鎮静剤)を響にブスッと刺し、響を回収していった・・・


次。ワープした人その2。駐屯地の女医。
縄跳び少女の兄は理不尽な逆恨みにより、駐屯地内にいたミンジュン&佳奈恵を攻撃。
そんな兄をまるっと信じテロリストぬっころ!を誓った来美も攻撃に加勢。ミンジュンの足をぶっ刺す。


ミンジュンと佳奈恵はなんとかその場から逃げるも、手負いのミンジュンを抱え思うように移動できない。
そしてアンラッキーなことに檻から脱走していた響の母ゴーレムに遭遇。
母ゴーレムに襲われる佳奈恵を助けようとしてミンジュンは母ゴーレムに噛まれてしまう・・・
そして母ゴーレムはやっつけられました・・・母、思いのほかあっけない最後でびっくりですよ・・・


猿ノ島に戻り、このままではミンジュンがゴーレムに!
どうしようどうしよう!と騒いでいる最中!
なんとここで!突然女医登場!


駐屯地とこの島って一応、海、隔ててるよね?
もしかして歩いてきた?スープの冷めない距離だった?みたいなワープぶり。
しかもなぜアジトを知っているんだ。後付けたん?あなた研究員より諜報員の方が才能発揮できるんじゃない・・・?
女医は「仲間(自分の弟ね)を助けるためのワクチンが欲しくば明日の朝あなた(響)1人で駐屯地に投降しろ」
的なことを言い去っていった・・・


ワープした人その3。響。
響は結局女医の言う通り投降した。
そもそも響が来美を探しに駐屯地戻らなければミンジュンと佳奈恵も駐屯地に引き返さなかったし、
響が母ゴーレムの檻の扉締めてれば母ゴーレムは脱走しなかったし、
ミンジュンは「響のせいじゃない」と言っていたが、
明らかに響はやっちまった。


しかし、このようにやらかしまくる響の数少ない長所の1つが、
自分でやらかしたことの落とし前は自分でつけるということです。


そして投降してみたら実はこのワクチンあげる話は女医の独断だったことが判明。
しかも女医はワクチンを響に持たせて一芝居打って逃がすつもりだったことも判明。


しかし女医の企みは失敗。響が冷凍庫の電源ぶっ壊したら、慌てた首藤参上。
もう首藤先生は冷凍庫ずっと警備しててくださいよ。


女医は冷凍庫の中身はワクチンだと思ってたけどそうじゃなかった。
具体的に何か明らかになってないものの少なくともワクチンではなかった。


首藤が冷凍庫復旧しか眼中にない間に、
女医は別のケースに保管している開発中の薬もって逃げろと響に指示。
しかし逃げる響に、首藤に寝返った等々力が絡んできたり自衛隊に腹付近撃たれたり、持ってる薬瓶落として割ったり(なんとか1個死守)もうボロボロ。


そんなボロボロの響になんとゴーレムまでが近づいてくる!
響はどうなるのか!?
こんな状態でどうやって島まで帰るのか!?


はいそこでワープです。


あの状態から何をどうやって切り抜けてどこの船を運転したのかわからないけど、取り敢えず響は生還。
ゴーレムになる一歩手前のミンジュンに薬を届けることができたのでした。


しかし奇跡はここまで。
開発中の薬はあくまで未完成。
ミンジュンには投与したものの、ゴーレム化の進行は止まらず、結局ミンジュンは帰らぬ人となってしまいました・・・
おおおミンジュン・・・


あなたは問題児の多いこのパーティーにおいて、唯一問題を起こさなかった貴重な人・・・
テコンドーの使い手としてパーティーの大きな戦力でありながら、
ときに響の相棒として響を励まし、
ときに佳奈恵の理解者として佳奈恵の恋をそっと見守り、
あのクソ野郎であった甲本の心を開かせ、
きれいな景色を見てはいつか姉さんに見せるのだと写真を撮り、
その姉さんに会ったときですら自分の気持ちを押し殺し仲間を優先にした


あれ、マジでミンジュン死んだらどうすればいいの・・・?
ミンジュン超有能じゃん・・・


なんか例えるならウォーキングデッドでデールとかハーシェル死んだときみたいな、みんなの精神的支柱がいなくなって皆バーサーカー化、みたいな・・・
なんか来週から皆復讐に燃えまくるみたいだし・・・


来美は響チームを、
響は来美を知らず憎み合うという無情な展開。


でもさ、私思うの。
もう来美は等々力さんとよろしくやりなさい。
あの人本当に面倒くさいから。自分で響は死んだって嘘ついて来美に近づいたくせに、響に小笠原探さねーのかよお前の気持ちはその程度なのかよみたいな煽りしまくって本当にわけわかめ


だからね、面倒くさい人同士でもうどうぞお幸せに。
最近佳奈恵がメンタル的にも戦力的にも成長してるみたいだし、
響は自分をずっと信じてくれる佳奈恵に目を向けてみなさい。ね、悪いこと言わないから。
幸せは案外近くにあったりするものだから。チルチルミチルだから。


取り敢えず、駐屯地で唯一話のわかりそうな浅香航大を仲間にする方法を皆で考えよう。

 

タイトルバックの曲は話によっていろいろ変わってますが、
私はNot the Endのバージョンが好きです

「俺の家の話」6話感想【日本のハワイで皆が笑顔になった回】※ネタバレ有

寿三郎はたまたま宗家に生まれ、
たまたま能の才能がめちゃくちゃあったから人間国宝になれたけど、
人間性は正直なかなかどうしようもなく、
はっきり言って能を引っ込めたらダメ人間の部類にカテゴライズしてもいい。


各地に昔薄くない関係のあった女性がいて、
しかもその中には将来をうっすら誓い合ったまま・・・そのまま時は流れ・・・みたいな人もいて、それだけで結構いかがなものでしょうか・・・
という感じではある。


しかし、寿三郎はさらにその女性が何年何十年経ってもずっと自分のことを想い続け、寿三郎を1番愛しているとか、寿三郎と過ごしていたまま何も変わらないとか、恐ろしくファンタジックな思い込みをしているところがまたすごい。
そんな何十年も待ってらんねっつの。
そりゃ能オタ女子は農業オタ女子(既婚子持ち)になり、
芸者はスナックのママになり、女将は潤沢ファンになるっつの。


寿三郎の何が出てくるかわからない、
どこまで広げているかもわからない風呂敷を渋々ながらも一緒に畳み続けている寿一は本当に気が長い男だよ。とても25年前に家出したと思えない。
いや、25年も家出したから今家族にこんなに心身砕いてるのかも。


でもね、そんな寿一もついにキレちまった。
寿一もね、そりゃあ人間だから。
100円出すのモタモタしちゃってそれをグズグズ言われちゃって
イライライライラ今まで溜まってた鬱憤が爆発。


寿限無見てるか。
これがガチもんの反抗だ。
寿一があんまり思いっきりキレるから寿限無元に戻っちゃってる。
やっぱ25年間家出してた男はキレっぷりも違うってもの。


でもね、本当は寿限無が宗家継ぐのは寿一だって思ってるんだよね。
だって寿限無の中の継承権順位は
「寿一、俺(寿限無)、秀生、大州、長田、お前(踊介)」だから。


こうやってキレ散らかしてアロハにパンツのまま外へ飛び出した寿一の前になんとさくら登場。
ついにスーパー世阿弥マシンの正体が完全にバレました。


バレた上で自分の誕生日のプレゼントとして正式に山賊抱っこを所望するさくら。
後妻業なんかよりずっとずっと変な女だったさくら。
姫抱っこでもない、おんぶでもない、ボディスラブでもない
山賊抱っこをねだるさくら。
踊介の(うざい)LINEは「既読」という身も蓋もない返信しかしない冷凍庫みたいな対応なのに寿一からのLINEはルンルン(中身は昼食のそばの写真1枚)。


折角の誕生日、
仕留めた獲物みたいに寿一に抱っこされたい、
そのためにスーパーひたちで福島まで来る女。
シュール過ぎる。


さくらも本格的に変な女だとわかってしまって、
あれ・・・じゃあ観山家のツッコミは誰が・・・?


寿一はツッコミ、もできるけど自分が混乱するとボケにチェンジするし、
寿三郎は最近出てくるホコリが全て「それギャグですか?」みたいな感じだし、
舞も実はボケが好きなのか細かくボケるし(しかも拾われない悲しさ)、
踊介は付き合ったことないDTみたいなボケばかりとばすし(本人は本気)、
大州は反抗期だし、
寿限無も反抗期だし、
秀生はツッコミよりフォローの方が得意そうだから、
ここはやはりOSDしかいませんよね。
さくらと2人残った観山家での短いやり取りの中でもOSDの常識人っぷりがダダ漏れていました。


それにしてもクドカン作品における阿部サダヲの安定感と言ったらない。
たかっしも純烈パロもサダヲでなければ爆死していたかもしれない。
でもサダヲなら大丈夫、サダヲならやってくれる、
サダヲなら絶対点を取ってくれる、そう信じられるエース感がある。クドカン作品のエース。


そして何より、秘すれば花でも歌謡曲でもワンフレーズでも
長瀬の歌が聴けたのが嬉しかった・・・


そしてその後の西田敏行の歌がまた巧いこと・・・


昔の女がマイ・ウェイ歌うとボロボロ泣いてってジュジュそれは話盛り過ぎだよおと思ってたけどこりゃ泣くわ。私も泣きそうになりましたすみませんでした。
西田敏行の歌声の若さとハリよ。それは拍手喝采だよね。大盛り上がりで寿限無も思わず「もっと甘えていいかな!タメ口でいいかな!」って反抗期終了するよね。


あとすんごいささやかなことなんだけど、寿一たちがたかっしの楽屋に謝りに行ったとき、自分たちのことを「手前どものような」と言ったところに観山家の御育ちの良さを感じました。


皆、最後には昔のハワイ旅行以上の笑顔を写真におさめられてよかった。
予告観る限り来週はまたちょっと大変そうだから、もし切ない気持ちになったら取り敢えず旅行回観て笑います。

 

「君と世界が終わる日に」6話感想【誰か来美さんに一旦落ち着くよう言ってください】※ネタバレ有

わああああああ・・・

縄跳び少女が・・・

兄の行動で「ウワァ・・・(何やってんだよ絶対ダメなやつじゃん・・・)」ってなって、

響のあれで「ヒエエ・・・(ほらやっぱりこうなったじゃん・・・)」ってなりました・・・

ちなみに全部声に出しています・・・


なんかこの縄跳び関連ととどんどん違う方向に爆走する来美とラストのインパクトで、もうほかの部分が記憶からかき消されつつある。
順を追っていこう。


響たちは(ガソリンの残量が乏しい)船で海原へと繰り出していた。
文句たらたらの甲本とともに。
お前乗っておいてその言い草・・・。
だったら最初から乗らないで陸地で1人彷徨えばよかっただろ・・・と一体どれだけの視聴者が思っただろう。多分甲本の好感度もう1%切ってる。


そしてなんとか最寄りの島へ到着。
その島にはなんと坪井軍団がいた。
見知った相手と再会し心なしか嬉しそうな響(そういい別れ方した人たちでもないような)。
自分たちもここにいさせてくれと響は坪井に頼み込む。
そうこうしているうちに坪井軍団にいる爺さんの足の怪我が悪化。
抗生物質が必要になったため、響たちと坪井軍団で横須賀の駐屯地に忍び込み、武器や医薬品などの物資調達を行うことに。大胆な作戦ですね。


坪井軍団から提供された隠れ家スペースには、すでにずっと前からこの建物にいたらしい謎の坊主がいた。
何故か一心不乱に読経していたため、リアル僧侶がパーティーに加わるのか!?
と思ったけど、頭以外に僧侶の要素がない・・・
でもなんか職場でお坊さんっぽい坊主の人はほぼ100%実家が寺だったんですよね自分の経験上では。
この人も実家寺なんじゃないの・・・?
まあそれはそこまで掘り下げなくて良しとする。


一方、駐屯地から撤退派の牛込さんと駐屯地滞在派の首藤がわかりやすく対立。
ワクチンのためワクチンのためって、お前あの冷凍庫を移動させたくないからダダこねてるの、私らはわかってるからなあああ。しかもほかの自衛隊員まで味方につけて汚い野郎め、お前など駐屯地外に追放されてしまええええ。
という私の心の声もむなしく、牛込さんは行方不明になってしまいました・・・。


そして来美はワクチンの実験体になってもう完全に朦朧状態。
取り敢えず今打ってるやつは失敗作なのでは・・・?
来美さん完全に自分の世界に入っちゃってますけど・・・。


それにしてもここへきて佳奈恵の気の強さがいい仕事をしてる。
主に甲本への毒吐きという分野で。


「ちょっとしばらく黙ってもらっていいですか?」
「あの人連れて行く必要あんの?」
パワハラですよ。イライラぶつけないでください!」
「口ばっかり」


最近大人しかった佳奈恵。
別に性格が丸くわけじゃなかった。皆が信頼できる仲間だから佳奈恵の態度も軟化しただけだった。甲本以外、な。
響も紹子さんもミンジュンも言い方が優しいから佳奈恵のような思ったこと全部口に出すキャラってこういうときに大切なんだな。佳奈恵、いてくれてありがとう。(でも単独行動はしちゃダメだぞ)。


そんで響たちは駐屯地に侵入。
そしてなんとこのタイミングで縄跳び少女の兄は縄跳び少女の拘束ベルトをゆるめてしまったのです・・・


「1人で縄跳びでもしてろ」と妹を冷たく突っぱねたため、
縄跳びしてる間に縄跳び少女は感染してしまったということだったのよ実は。
「兄ちゃんのせいだ・・・ごめん、痛いよな」
って、こんのバッカチンがあああああ!
今更罪悪感で優しくしてどうすんのコレ!もう妹ゴーレムになっちゃってて痛いとかなんとかそういう問題じゃないの!!


これ自分が襲われるか誰か別の人襲うかで絶対何か起きるんだろうなと思ってたら
別の人(響)パターンでした。
そりゃあ、そりゃあ子供のゴーレムだとて、襲われてシャーシャー言われたら刺しますわ・・・
悪いのは響じゃない・・・悪いのは全て今更妹に懺悔していらんことした兄なのだよ・・・


そしてなんかどさくさに紛れて牢屋脱出した等々力が朦朧状態の来美を連れて逃走。
逃げてる最中の来美を見て響は来美を追跡。
来美と等々力が逃げ込んだ地下室(真っ暗闇)の中で等々力はゴーレム化した牛込さんに躊躇したところ自衛隊に殴られ気絶。
響はあと1歩で来美と再会できるというところで自衛隊に殴られ気絶。
おのれ首藤。


そして響はゴーレムのたっぷり入った檻のある暗い部屋に縛り付けられ、かつて母の主治医であった首藤と再会。
来美に何かされたと思い激高する響。響たちをハエ呼ばわりして楽しそうな首藤の下郎ぶり。
私はねえ、己のエゴをさも公益のように語るやつがたまらなく嫌いなんですよぉぉぉぉぉ。
私が文系でなく理系でサイエンティストだったら今すぐ首藤が木っ端みじんになる装置開発したい。


そんな中、何者かに駐屯地の電源をぶっ壊され、大事な装置がおじゃんになりかけたため首藤は慌ててそっちへ。
檻の中から牛込さんを出して響を襲わせるというおまけつきで去って行った。


牛込さん、本当にね、実は牛込さんがあまりにもちょびちょびのちょびしか出てこないから、このドラマはなんて神保の無駄遣いをするんだと思ってたんだけど、
神保さんはこのゾンビ演技をするために呼ばれたの?ってくらいいいゾンビでした。ナイスゾンビでした。


そしてナイスゾンビをやっつけ響を助けるミンジュンと佳奈恵。
そう、書き忘れてたけどこの2人は駐屯地に戻った響をやはり置いて行けないと
追いかけてきたのです。
そして甲本は「自分が1番大事だろ!」と2人の行動を非難するも、
船のそばで今にも島に戻りそうな坪井たちに土下座してもう少し彼らが戻ってくるのを待っていて欲しいと懇願するのでした。
おい、こんなんずるいだろ。


甲本もう速攻喰われていいよと思ってたのにこんな姿見せられたら「こいつも根は悪い奴じゃないんだな」とコロッと思わされてしまうじゃん。


むしろ甲本が船守ってるって1人だけ残った時点で「こいつ絶対1人で逃げる気だな」と思ってたのにちゃんと待ってて「まあまあいい奴だな」って錯覚しちゃったし。チョロいんだよ私は。


で、結局響たちは駐屯地を脱出し、来美は朦朧状態から回復し、
ぶっ壊れかけた装置(冷凍庫)はなんとか復旧して事なきを得た。


しかし事なきを得ていない問題がある。
そう、それは縄跳び少女問題。


来美は殺されてしまった縄跳び少女を発見。
で、でね、あろうことか兄は「テロリストにやられた」と言いおったのですよ。
おいおいおいおいおい、ちょ、待てよ。
テロリストに殺されたのはそもそも誰のせいなんだってばよ。


でもね、来美にはそんなことわかりようもない。
わかりようもないから「まなちゃんをこんな目に遭わせた奴は私が必ず殺す」とか言い始めちゃった。
こんな目に遭わせた奴が誰かって原因を辿っていくと主に来美と縄跳びの兄っていうことになってしまうと思うんだけど。
っていうか。ねえ、来美。あなたそもそもなぜ自分が駐屯地にいるのか考えてみて。当初の目的を忘れないで欲しい。


響はもう何人もゴーレムを殺していろいろな人に殺されそうになって裏切られて、あんな目こんな目に遭っても未だに来美の名を聞き姿を見れば一心不乱に駆け出していくほど一途だよ。


そう、だから響は駐屯地脱出した後も来美をどうしても助けてまた駐屯地戻ったんです。
そしてそこで牢屋に鎖でつながれた1体のゴーレムを発見するのですが、
なんとそれは自分の母親でした(白目)。


あの優しく朗らかだったお母さんがあり得ない様相でつながれてるところを見てしまった響の胸中たるや。
人を憎まない、誰かを嫌いになりそうになったら大好きなもので胸をいっぱいにすると語っていたお母さんのこの状態を見て、果たして響は人を憎まずにいられるのでしょうか。


ラストシーンに流れる「星を仰ぐ」の「君といれたら」というフレーズ、
来美と一緒にいられたら響の心は憎しみに溢れることはないかもしれないが、その来美も今は遠い。
なんかこの歌、「こんなやすらかな日々もあったけれどもう戻れないんだよ」という雰囲気ですごくやるせないな。

 

「俺の家の話」5話感想【寿三郎の恋物語いくつあるんだよ】※ネタバレ有

今回も観山家ではさまざまな問題が発生し、
寿一はその問題に片っ端から体当たりしていました。


まず寿限無の反抗期。
寿三郎への怒りが怒髪天を突き、ついに反抗期に入ってしまった寿限無
立膝でご飯食べたりデスメタルかけたり不良がオラつくTVゲームして部屋に引きこもったり、いまいち反抗ぶりが突き抜けないところが悲しくも寿限無らしい。
しかも反抗適齢期の大州と被っていっしょくたにされてるのも不運であった。


「あんたらがうな重食うとき俺はうな丼、
あんたらがBlu-ray観るとき俺はDVD、
あんたらが長袖着るとき俺は半袖」
寿限無のこれまでの自分の立場を語る切ない場面なのに笑えて感情が忙しい。
わかる、わかるよ。所詮血の繋がりのない養子だ(と思っていた)から、常に宗家から1歩ひいた立ち位置でいなければ、と配慮しながら生きてきた寿限無の気持ち。
今更血が繋がっている本当の父兄弟妹でしたと言われても何をどう飲み込めばいいのか、飲み込みたくないという葛藤。


でもこの斜め上言ってる例え話、何かに似てるなと思ったら、
かの有名な例え上手、家なき子のエリカ様が頭をよぎりました。
「エリカが例えてあげる。エリカが満天の夜空に輝くお星さまなら、
すず、あんたはみそ汁の出汁に使われる煮干し様」ってやつ。


そんな寿限無の投げやり的で卑屈な態度・発言に激高した寿一は、
寿限無を引きずってさんたまプロレスの練習場へ。
そこで寿限無に思い切り自分を打たせるという発想、さ、さすが脳みそ筋肉です・・・!(褒めています)


しかし、寿限無が自分(寿一)が家を出て行かなければ自分は養子になることはなく、別な人生を歩めていたであろうこと、
25年間長男で能の才がある寿一を待ち続けてきたのに自分にも継承の権利があったのだというやるせなさをぶつけられ、
挙句に28世宗家は自分が継ぐという宣戦布告を受け寿一は茫然。


さらに実は寿一がスーパー世阿弥マシンであることにほぼ感づいているさくらに「好き」と告白されさらに混乱(そして混乱のあまりにリングの上で舞い始める)。


それにしても、オヤバカ長女と致命的にセンスがない次男の次男の方、
前回からもう顔がデレデレしてたけどもう思いっきり振り切れてて笑いました。


「お前の可愛さ、YU・U・ZAI☆YU・U・ZAI☆」
「可愛さ、過失致死だぜ」


って心の声までセンスどうかしてるな!
あんだけ後妻業後妻業言ってたのに、
「ちょっと金銭感覚が独特で男性に誤解を与えやすい訴訟を起こされやすい女」って、思い込みが激しい分、他人を肯定するときの解釈の仕方もアクロバティックだよね。


さくらはさくらで自分を助けてくれた世阿弥マシンに恋心抱いて
また山賊抱っこされたいと思い馳せてるし、
もう観山家清々しいほどバラバラ!


さらには秀生の親権問題が勃発。
秀生が本格的に能役者を目指すとき有利なように親権を元妻から寿一に移すという話に、元妻ユカは同意のムードを見せていた。
しかしそこで頭お花畑ナチュラルKY男の早川くんが水を差す。
「再婚相手の連れ子も実の子も分け隔てなく叱ったり可愛がったりする父親っていう設定がエモい」という気持ち悪いほど自己中極まりない理由で親権を手放さないことをさらりと主張。
こいつ頭沸いてんのか?と思いましたが、クドカンのドラマに頭沸いてるキャラ出るなんて珍しくなかったそういえば。


こういうKYが出るからOSDの空気読めてるぶりがまた際立つというもので。
皆が思い思いの心の声を発する観山家の朝の食卓でも1人だけ心の中でGRATEFUL DAYS熱唱してたし。


「こいつ嫁の実家で何回お代わりすんだよ」という舞の心中を
知ってか知らずかはわからないが、なんかこの人誰が何考えてるか実は全部わかってて道化演じてるんじゃないか?と思うほどのタイミング。


大州が舞台をすっぽかした説教に反発したときも、大州のダンスの成績をアピールし(この子には能のほかに才能があるんですよ)
大州に「なんであんな奴(舞)と結婚したんだよ」と聞かれたときも「俺と母さんが結婚しなかったらお前生まれてなかったんだぜ(だから家族をあまり悪し様に言うなよ)」
とフォローに次ぐフォロー。
どんなこぼれ球も見逃さないスーパーセーバー。
チャラついたテンションで真面目な話も深刻にしない絶妙なカバーぶり。
上がる・・・どんどん私の中でOSDの株が上がってゆく・・・。


このように、さまざまな問題が頻発する中でも寿一は家族旅行を決行するという計画を一歩も譲らないわけです。
加えてさくらと踊介と寿三郎と自分とプロレスの複雑な恋愛関係とか、あまりにも問題が起こりまくってて家族旅行とか行きたくないんですけど!と思わず心の中で叫んでも、なんとかやってやろうと頑張るわけです。


寿三郎が大きな風呂も入れない同じ食事も食べられないじゃつまらない(ここの寿三郎の車椅子の進み方、イジイジと蛇行運転してましたね)と言い始めれば、何でも親父の好きなようにさせてやる病人扱いしないから面倒くせえこと言うなと言い、


主治医が糖尿やら血圧の値が良くないため家族旅行はやめた方がと助言するも、
「行かないで後悔するより行って後悔するのが観山家だから」と言い放ち、
どの数値がどれだけ下がればいいのか、
男手が必要ならプロレスの後輩も連れて行くしなんなら長州さんも声掛けますけどと主張し、


何がそこまで寿一を頑なにしているのかというと家族のためなんですよね。
おそらく父との最後の旅行になるかもしれない今回の家族旅行で、
母が撮影したかつての家族旅行のように、
皆笑顔で写真を撮りたいという非常にシンプルな家族への想い。


この寿一の真っ直ぐな想いがバラバラな家族を「寿三郎の体調を旅行に行けるレベルまで整える」という目的のもとにまとめあげたのです。
しかも寿一と踊介が入浴介助の練習してるときに寿限無がそっけない素振りながら助けてくれたりもして。


まあ寿三郎さんがまた自らの奔放な女性関係を寿一とさくらに打ち明け、再婚予定だった女性に旅行のついでに謝りに行きたいとか言い出したからさくらは留守番になったんだけど・・・


家出してプロレスラーになった寿一が観山家で1番はっちゃけてると思ってたけど、実は1番はっちゃけてるのは寿三郎だったという話。
しかし、ただのむき出しのジジイとしてはっちゃけるには、観山家の家元という立場とこれまで積み重ねてきたものはあまりにも重かったんだなあ。


来週は旅行メインの話のようなので
旅番組気分で観ます。ガチのハワイアンズ出てくるっぽいからより楽しみ~

 

 

やっぱり福島銘菓と言えばままどおる
ほど良い薄さの柔らかい生地とミルクの風味豊かな餡が最高。最高にうまい。

「君と世界が終わる日に」5話感想【な、なんだこいつ~!の連続に癒しを求めたくなった】※ネタバレ有

なんか今回の話は言動行動に気持ち悪さが溢れてるキャラがいっぱい出てきて、終始「キモ!」「うわあ、キモォ・・・」とか呟きながら観てた気がします。
美亜が子供を人質にとって裏切ったときにもなんと!クソ野郎だ!とは思ったけどまた違う、何なんだろうこの気持ち。

まず最もキモかったのは何といっても紹子さんの夫で結月ちゃんの父の狛江。
自らのDVで離婚された元妻と娘を探し回ってまんまと見つけ出し再び暴力を振るったクソ野郎です。
こういうDV野郎は異常なほどの執念があると言いますが、
明日の生死すらわからないこんな世の中で元妻と娘を捜索するなんてマジで怖いしキモ過ぎる。そして「心を入れ替えた。昔の俺じゃない」とか言いながら舌の根も乾かないうちにまたキレて1mmも人間性変わってないところまでテンプレート過ぎる。
紹子さんと結月ちゃんはお互い庇い合って、自分が殺したの殺さないのといろいろやっていましたが、このDV野郎は本当にゴーレムにでもなった方がまだマシだと思いました。ゴーレムは健気な夫装って近づいたりしませんから。

そしてうすうすキモいかもと感じてたけど、とうとうキモいと確信したのが甲本。
お前は今まで一体何人ゾンビを片付けてきたんだ。なんかあんまりこの人がゾンビと交戦してる場面観た記憶がないんですが、
薬とりに行ったりゾンビやっつけたり、危険な仕事は響たちに任せてただくっついて歩くだけの存在なのに、この親子を人殺しだのなんだのと非難する権利あるのか?と思うわけですよ。
ゾンビは殺して良いってそれどういう論理なのよ。死んでる状態で動いている人を殺すのが殺人じゃないってなんで言い切れるんだよ。
響はゾンビ倒すのも躊躇して、それでも生きるため人を守るためにはこうするしかないって自分に言い聞かせながら汚い仕事してんだよ。
それを、人を殺したら人殺しでゾンビ殺すのは無問題みたいな軽い考えしてる奴が1番腹立つっての。
ていうかお前学校でゾンビに襲われたとき宇和島さんを盾にして押してたくせに
自分の行いはどう説明するんだよ。
という感じで甲本への怒りが一気にきた。

あと、途中で食われちゃった自衛隊員。
自分は響とミンジュンに発砲して殺そうとしてたのに、自分がゾンビに捕まったら、待ってくれ!助けて!見捨てないでくれ!響たちにすがってっていやいやいやいや・・・?
いや、そりゃテロリストの掃討業務と信じてやってるんだろうけど、自分がさっきまで殺そうとしてケガまで負わせた相手に助けてくれってそれは・・・ほらあ、響は真面目だからまた苦悩し始めちゃったじゃん・・・。

そしてここへきて一気にキモさを増したのが首藤。
今までは「こういうマッドサイエンティストってゾンビものに必ず出てくるよね」「まあ汚い手を回しているのはこの人の仕業だよね」くらいにしか思ってなかったけど、来美の罪悪感につけ込んで自分の研究に協力させようっていう神経が・・・キモい!キモ過ぎる!!
来美に医療の進歩に身を投じろとか君にできる唯一の償いとか精神的に追い詰めるようなことばっかり言ってるけど、お前が自分の研究に来美を利用したいだけのハイパーエゴイストだということを視聴者はわかってますから!画面の向こうにいるのがもどかしい!いや、こんな世界に入り込みたくもないけども!

あと、なんか速攻捕まっちゃったのでキモさ的にはあまり目立たなかったんだけど、等々力も相当やばい。
まさか色恋の恨みだけで響に冷たく当たってるわけないじゃんと思ってたのに、なんか自信なくなってきた。
だって自衛隊に変装して駐屯地に忍び込んで、来美を助けるためにここまで来たって、お前学校で来美のこともう生きてるわけないだろって響のこと責めたのに、生きてるとわかったらこんなことを?
もしかしてガチで来美とられた腹いせだけで響に当たってたりする?
しかも桑田と目合って敬礼して立ち去ろうとするしそれは無理だよいくら何でも・・・。

なんか響は本当に「何でそこで信じちゃうの?」「何でそこで感情のまま突っ走っちゃうの?」ってモヤるところも今まで確かにあったんですが、
汚いことを汚いことだとわかってやってて、来美と会うことと仲間を守ることのためならそうせざるを得ないっていう覚悟が迷いながらもあるというか、
それで、はっきりそうは言ってないけど、ゴーレムになりかけてる狛江を殺しましたよね。

全部責任背負いますって口だけじゃない、仲間守るためなら汚れやりますって行動で表してる。
それがこの世界でいいか悪いかは別として、自分の考えと行動が繋がってるから信じてついていけるよね。
美亜が言ってたように、こんな世界になっちゃったら信じたものがバカを見る的なことも珍しくないわけで、そんな状況で絶対自分を裏切らないと信じられるリーダーがいたらどれだけ心強いかと思うわけです。

なんか今こそ響メシ作って欲しい。いよいよ食料も厳しそうだが、サバイバルの真っ只中にてこのおしゃれワンプレート!みたいなカフェ風カレーがちょっと懐かしい。

 

 

みんなでカップケーキの缶詰みたいなのを分け合って食べてましたが、
パンの缶詰もあるんですね。数年保存可能ってすごい。

「俺の家の話」4話感想【世阿弥マシンのコスチュームはもう少し箪笥の奥に隠しとけ】※ネタバレ有

今回の話はタイトル通りに本当に寿三郎さんのくそジジイ的側面をあらわにした、何の文句もないタイトル通りの話でしたね。題名に偽りなし!

内容はざっくり言えば大州と秀生の姿に寿一がかつての自分と寿限無の姿を重ねる、という感じだったんだけど、いろいろな展開があちこちに入り組んで、しかもさくさく小ネタ挟んできて複雑な話だった。複雑でいて無意味なシーンなしという、瞬きすら惜しまれる密度の濃さ。

秀生がめきめき筋の良さを発揮し、子供向けイベントで初舞台を踏むことになった一方、一緒に舞台に立つ予定の大州は実はあまり能が好きではなく、別に活動しているダンスチームの活動に夢中。池袋の西口公園で定期的な練習を重ねていました。
ここで皆もうフライングでテンション高まりまくったよね。
予告で見てから1週間待ってたもんね。
「ついに来た」「もう感動した」「懐かしさに泣きそう」
とかいろいろな境地あったよね。

ある日稽古をすっぽかした大州。
大州の居所を秀生から聞き出した寿一は池袋西口公園へ・・・。
そう、かつての自分のホームグラウンドでもあった池袋西口公園に立つマコト。じゃなくて寿一。
しかもカラーギャングに絡まれたとき用とか言いながら首に金属チェーンぶら下げて「何年前の話だよ」って大州に突っ込まれてる。
ああー!なんて素晴らしいメタ!
まさか長瀬自らクドカン自らIWGPをネタに昇華するシーンを見られるとは思わなかったよ。生きていればいいこともあるものですね。

そしてOSDの経営するラーメン屋でラーメンを食べる寿一と大州。
大州が能を嫌っている姿、能から逃げたがっている姿を見て、かつての自分と重ねる寿一。そして寿限無に言われた「逃げる才能」について大州にアドバイスする。

このシーンもすごく良かったんだけどね、
今回の4話のMVPは私個人的にOSD

「店長、あんたスープのために死ねる?」
「(スープのために死ねると言った早稲田店店長との)その差が出てんだろうがよ食べログの星によお!」
「WOW!京極夏彦さんかと思ったらお義兄さんだ!」(寿一が着物に黒い指ぬきグローブはめてたからです)

などなど、今回も珍言の数々を連発していたOSDさんですが、
自分がラーメン屋になった理由について
「強いて言うとラーメン好きじゃないから」
なんて言いきるとはすごい男だと思いませんか。
義父と言えども仮にも人間国宝にあんな無謀に絡んでいくから只者じゃないレベルのすごいアホだなと思ってたけど、実は観山家親族で1番仕事の才能ありますね?

「ラーメン好きな奴ってさあ、ラーメン好きな奴の気持ちしかわかんねんだよなあ」
なんか頭カーンって殴られたくらい衝撃受けた。
まさかOSDの言葉でこんな衝撃くらうと思ってなくて悔しい。
好きなことを仕事にするのはもちろん理想的な形の1つだけど、
嫌いだからこそ持てる視点ってあるよねって話ですよ。
伊達にラーメン屋何軒も経営してる人じゃなかった。
「だから俺の意見?結構大事なんじゃないかなあ?ME~N!?(←MENと麺をかけてる)」っていうワードセンスのダサさすら霞むかっこ良さだった。

その一方で。私がOSDの仕事論に大きな感銘を受けている頃。
観山家では大変なことが起きていました。
寿三郎のエンディングノートには「寿限無のおとしまえ」という項目があって、寿一にはこれが何のことだかわからなかった。
でもね、これがなんと寿限無の出自に関わる重大な秘密だったんだよね。
昔寿一のお母さんが寿一を身籠って里帰りしていたとき、
寿三郎は当時観山家にいた女中に手をつけて妊娠させてしまった。
そして認知はできないながらもせめてもの世話として、
女中に好意を抱いていた番頭さんとの結婚をまとめ、
のちに女中が産んだ男の子には自分の名前の「寿」の一文字を贈った・・・
そう、寿限無は寿三郎の隠し子だったのです。

言われてみれば確かにおかしかったよね。
なんで寿一・舞・踊介の3兄弟は長男の寿一にしか寿の字が入ってないのに、
寿限無は寿が入ってる似た名前なのかと。
寿限無を跡継ぎにするため改名させたのかな?と思ったけど、
これは寿三郎の罪滅ぼしだったと、こういうわけです。

もう、寿三郎さんね、
本当に・・・
本当に・・・くそジジイです・・・

寿限無は今まで自分の養子という立場を考え、観山3兄弟より1歩引いたところから家を支えてきた。金欠の観山家をなんとか立ち行かせるため、宗家に黙ってデリバリーのバイトまでしてた。
能から逃げた寿一のように自分の気持ち1つで行動することもできず、ただ自分に用意された道を進むしかなかった寿限無
これまで寿限無が過ごしてきた何十年間のことを思うとその胸中たるや、壮絶過ぎて想像もつきません。

で、子供向け能イベント当日。
無事舞台に上がるかと思われていた大州は直前で行方不明に。
道成寺の鐘の下から大州の袴がはみ出ているのを発見した秀生は、
鐘の中から聞こえるすすり泣きを聞き、大州が見つからない振りをしておく。
開演が迫り焦る観山家の中で、寿一がピンチヒッターに立候補。

親子で舞うことになった「小袖曽我」は元々武士の兄弟が出てくる演目ですが、寿一は秀生と舞台に立っている最中に、昔同じ演目を寿限無と稽古していたことを懐古し、
「そうか、あのとき俺たちは兄弟で舞ってたんだな」と想いを馳せるんだよね。

親友で義理の兄弟でもあった寿限無が実は自分と血のつながった本当の兄弟で、
自分より後に習い始めたのに目覚ましい上達を見せる寿限無に焦り、
その頃2人で舞台に立つ当時の寿一の胸の中は、
ただただ能から逃げたい、寿限無と一緒に踊るのが辛い、比べられるのが嫌だ、
そんな気持ちばかりで占められていたはずで、

それが今、あの演目を本当の兄弟で踊っていたという因縁めいたものをしみじみと思い出せるまでになって。25年の月日がこうしたのかと、なんか心にグッとくるものがあった。

そして道成寺の鐘の中にいたのは実は大州ではなく寿限無だったんですけど、
秀生が大州と勘違いしたすすり泣きは、「承知しました」の一言で押し込めた寿限無のやりきれない気持ちだったんじゃないかなとか、

いろいろ気になるんですが取り敢えず、
次回は寿限無の恨みつらみが籠ったまさに怨霊のような清姫が観られるんでしょうか。