「俺の家の話」6話感想【日本のハワイで皆が笑顔になった回】※ネタバレ有

寿三郎はたまたま宗家に生まれ、
たまたま能の才能がめちゃくちゃあったから人間国宝になれたけど、
人間性は正直なかなかどうしようもなく、
はっきり言って能を引っ込めたらダメ人間の部類にカテゴライズしてもいい。


各地に昔薄くない関係のあった女性がいて、
しかもその中には将来をうっすら誓い合ったまま・・・そのまま時は流れ・・・みたいな人もいて、それだけで結構いかがなものでしょうか・・・
という感じではある。


しかし、寿三郎はさらにその女性が何年何十年経ってもずっと自分のことを想い続け、寿三郎を1番愛しているとか、寿三郎と過ごしていたまま何も変わらないとか、恐ろしくファンタジックな思い込みをしているところがまたすごい。
そんな何十年も待ってらんねっつの。
そりゃ能オタ女子は農業オタ女子(既婚子持ち)になり、
芸者はスナックのママになり、女将は潤沢ファンになるっつの。


寿三郎の何が出てくるかわからない、
どこまで広げているかもわからない風呂敷を渋々ながらも一緒に畳み続けている寿一は本当に気が長い男だよ。とても25年前に家出したと思えない。
いや、25年も家出したから今家族にこんなに心身砕いてるのかも。


でもね、そんな寿一もついにキレちまった。
寿一もね、そりゃあ人間だから。
100円出すのモタモタしちゃってそれをグズグズ言われちゃって
イライライライラ今まで溜まってた鬱憤が爆発。


寿限無見てるか。
これがガチもんの反抗だ。
寿一があんまり思いっきりキレるから寿限無元に戻っちゃってる。
やっぱ25年間家出してた男はキレっぷりも違うってもの。


でもね、本当は寿限無が宗家継ぐのは寿一だって思ってるんだよね。
だって寿限無の中の継承権順位は
「寿一、俺(寿限無)、秀生、大州、長田、お前(踊介)」だから。


こうやってキレ散らかしてアロハにパンツのまま外へ飛び出した寿一の前になんとさくら登場。
ついにスーパー世阿弥マシンの正体が完全にバレました。


バレた上で自分の誕生日のプレゼントとして正式に山賊抱っこを所望するさくら。
後妻業なんかよりずっとずっと変な女だったさくら。
姫抱っこでもない、おんぶでもない、ボディスラブでもない
山賊抱っこをねだるさくら。
踊介の(うざい)LINEは「既読」という身も蓋もない返信しかしない冷凍庫みたいな対応なのに寿一からのLINEはルンルン(中身は昼食のそばの写真1枚)。


折角の誕生日、
仕留めた獲物みたいに寿一に抱っこされたい、
そのためにスーパーひたちで福島まで来る女。
シュール過ぎる。


さくらも本格的に変な女だとわかってしまって、
あれ・・・じゃあ観山家のツッコミは誰が・・・?


寿一はツッコミ、もできるけど自分が混乱するとボケにチェンジするし、
寿三郎は最近出てくるホコリが全て「それギャグですか?」みたいな感じだし、
舞も実はボケが好きなのか細かくボケるし(しかも拾われない悲しさ)、
踊介は付き合ったことないDTみたいなボケばかりとばすし(本人は本気)、
大州は反抗期だし、
寿限無も反抗期だし、
秀生はツッコミよりフォローの方が得意そうだから、
ここはやはりOSDしかいませんよね。
さくらと2人残った観山家での短いやり取りの中でもOSDの常識人っぷりがダダ漏れていました。


それにしてもクドカン作品における阿部サダヲの安定感と言ったらない。
たかっしも純烈パロもサダヲでなければ爆死していたかもしれない。
でもサダヲなら大丈夫、サダヲならやってくれる、
サダヲなら絶対点を取ってくれる、そう信じられるエース感がある。クドカン作品のエース。


そして何より、秘すれば花でも歌謡曲でもワンフレーズでも
長瀬の歌が聴けたのが嬉しかった・・・


そしてその後の西田敏行の歌がまた巧いこと・・・


昔の女がマイ・ウェイ歌うとボロボロ泣いてってジュジュそれは話盛り過ぎだよおと思ってたけどこりゃ泣くわ。私も泣きそうになりましたすみませんでした。
西田敏行の歌声の若さとハリよ。それは拍手喝采だよね。大盛り上がりで寿限無も思わず「もっと甘えていいかな!タメ口でいいかな!」って反抗期終了するよね。


あとすんごいささやかなことなんだけど、寿一たちがたかっしの楽屋に謝りに行ったとき、自分たちのことを「手前どものような」と言ったところに観山家の御育ちの良さを感じました。


皆、最後には昔のハワイ旅行以上の笑顔を写真におさめられてよかった。
予告観る限り来週はまたちょっと大変そうだから、もし切ない気持ちになったら取り敢えず旅行回観て笑います。