「俺の家の話」5話感想【寿三郎の恋物語いくつあるんだよ】※ネタバレ有

今回も観山家ではさまざまな問題が発生し、
寿一はその問題に片っ端から体当たりしていました。


まず寿限無の反抗期。
寿三郎への怒りが怒髪天を突き、ついに反抗期に入ってしまった寿限無
立膝でご飯食べたりデスメタルかけたり不良がオラつくTVゲームして部屋に引きこもったり、いまいち反抗ぶりが突き抜けないところが悲しくも寿限無らしい。
しかも反抗適齢期の大州と被っていっしょくたにされてるのも不運であった。


「あんたらがうな重食うとき俺はうな丼、
あんたらがBlu-ray観るとき俺はDVD、
あんたらが長袖着るとき俺は半袖」
寿限無のこれまでの自分の立場を語る切ない場面なのに笑えて感情が忙しい。
わかる、わかるよ。所詮血の繋がりのない養子だ(と思っていた)から、常に宗家から1歩ひいた立ち位置でいなければ、と配慮しながら生きてきた寿限無の気持ち。
今更血が繋がっている本当の父兄弟妹でしたと言われても何をどう飲み込めばいいのか、飲み込みたくないという葛藤。


でもこの斜め上言ってる例え話、何かに似てるなと思ったら、
かの有名な例え上手、家なき子のエリカ様が頭をよぎりました。
「エリカが例えてあげる。エリカが満天の夜空に輝くお星さまなら、
すず、あんたはみそ汁の出汁に使われる煮干し様」ってやつ。


そんな寿限無の投げやり的で卑屈な態度・発言に激高した寿一は、
寿限無を引きずってさんたまプロレスの練習場へ。
そこで寿限無に思い切り自分を打たせるという発想、さ、さすが脳みそ筋肉です・・・!(褒めています)


しかし、寿限無が自分(寿一)が家を出て行かなければ自分は養子になることはなく、別な人生を歩めていたであろうこと、
25年間長男で能の才がある寿一を待ち続けてきたのに自分にも継承の権利があったのだというやるせなさをぶつけられ、
挙句に28世宗家は自分が継ぐという宣戦布告を受け寿一は茫然。


さらに実は寿一がスーパー世阿弥マシンであることにほぼ感づいているさくらに「好き」と告白されさらに混乱(そして混乱のあまりにリングの上で舞い始める)。


それにしても、オヤバカ長女と致命的にセンスがない次男の次男の方、
前回からもう顔がデレデレしてたけどもう思いっきり振り切れてて笑いました。


「お前の可愛さ、YU・U・ZAI☆YU・U・ZAI☆」
「可愛さ、過失致死だぜ」


って心の声までセンスどうかしてるな!
あんだけ後妻業後妻業言ってたのに、
「ちょっと金銭感覚が独特で男性に誤解を与えやすい訴訟を起こされやすい女」って、思い込みが激しい分、他人を肯定するときの解釈の仕方もアクロバティックだよね。


さくらはさくらで自分を助けてくれた世阿弥マシンに恋心抱いて
また山賊抱っこされたいと思い馳せてるし、
もう観山家清々しいほどバラバラ!


さらには秀生の親権問題が勃発。
秀生が本格的に能役者を目指すとき有利なように親権を元妻から寿一に移すという話に、元妻ユカは同意のムードを見せていた。
しかしそこで頭お花畑ナチュラルKY男の早川くんが水を差す。
「再婚相手の連れ子も実の子も分け隔てなく叱ったり可愛がったりする父親っていう設定がエモい」という気持ち悪いほど自己中極まりない理由で親権を手放さないことをさらりと主張。
こいつ頭沸いてんのか?と思いましたが、クドカンのドラマに頭沸いてるキャラ出るなんて珍しくなかったそういえば。


こういうKYが出るからOSDの空気読めてるぶりがまた際立つというもので。
皆が思い思いの心の声を発する観山家の朝の食卓でも1人だけ心の中でGRATEFUL DAYS熱唱してたし。


「こいつ嫁の実家で何回お代わりすんだよ」という舞の心中を
知ってか知らずかはわからないが、なんかこの人誰が何考えてるか実は全部わかってて道化演じてるんじゃないか?と思うほどのタイミング。


大州が舞台をすっぽかした説教に反発したときも、大州のダンスの成績をアピールし(この子には能のほかに才能があるんですよ)
大州に「なんであんな奴(舞)と結婚したんだよ」と聞かれたときも「俺と母さんが結婚しなかったらお前生まれてなかったんだぜ(だから家族をあまり悪し様に言うなよ)」
とフォローに次ぐフォロー。
どんなこぼれ球も見逃さないスーパーセーバー。
チャラついたテンションで真面目な話も深刻にしない絶妙なカバーぶり。
上がる・・・どんどん私の中でOSDの株が上がってゆく・・・。


このように、さまざまな問題が頻発する中でも寿一は家族旅行を決行するという計画を一歩も譲らないわけです。
加えてさくらと踊介と寿三郎と自分とプロレスの複雑な恋愛関係とか、あまりにも問題が起こりまくってて家族旅行とか行きたくないんですけど!と思わず心の中で叫んでも、なんとかやってやろうと頑張るわけです。


寿三郎が大きな風呂も入れない同じ食事も食べられないじゃつまらない(ここの寿三郎の車椅子の進み方、イジイジと蛇行運転してましたね)と言い始めれば、何でも親父の好きなようにさせてやる病人扱いしないから面倒くせえこと言うなと言い、


主治医が糖尿やら血圧の値が良くないため家族旅行はやめた方がと助言するも、
「行かないで後悔するより行って後悔するのが観山家だから」と言い放ち、
どの数値がどれだけ下がればいいのか、
男手が必要ならプロレスの後輩も連れて行くしなんなら長州さんも声掛けますけどと主張し、


何がそこまで寿一を頑なにしているのかというと家族のためなんですよね。
おそらく父との最後の旅行になるかもしれない今回の家族旅行で、
母が撮影したかつての家族旅行のように、
皆笑顔で写真を撮りたいという非常にシンプルな家族への想い。


この寿一の真っ直ぐな想いがバラバラな家族を「寿三郎の体調を旅行に行けるレベルまで整える」という目的のもとにまとめあげたのです。
しかも寿一と踊介が入浴介助の練習してるときに寿限無がそっけない素振りながら助けてくれたりもして。


まあ寿三郎さんがまた自らの奔放な女性関係を寿一とさくらに打ち明け、再婚予定だった女性に旅行のついでに謝りに行きたいとか言い出したからさくらは留守番になったんだけど・・・


家出してプロレスラーになった寿一が観山家で1番はっちゃけてると思ってたけど、実は1番はっちゃけてるのは寿三郎だったという話。
しかし、ただのむき出しのジジイとしてはっちゃけるには、観山家の家元という立場とこれまで積み重ねてきたものはあまりにも重かったんだなあ。


来週は旅行メインの話のようなので
旅番組気分で観ます。ガチのハワイアンズ出てくるっぽいからより楽しみ~

 

 

やっぱり福島銘菓と言えばままどおる
ほど良い薄さの柔らかい生地とミルクの風味豊かな餡が最高。最高にうまい。