「俺の家の話」1話感想【笑って泣ける良作の予感】※ネタバレ有

長瀬がプロレスラーで、
妻には逃げられ男手1つで学習障害ある息子を育てるパパで、
家は能の宗家で父は人間国宝で、
その父がぶっ倒れて余命わずかで介護が必要な状態で、
しかもヘルパーで後妻業疑いのある女と婚約して遺産も譲ると言ってる最中、
介護と家継ぐために実家に帰ってきて家族皆でドタバタするホームドラマです。


この情報量の多さよ。字面だけ見ると何これわけわからんと思うかもしれないけどぜひ見てください。1話見逃した人は今すぐTVerで見逃し配信観てください。それも見逃したら2話から見てみてください。1話見た人は2話の放送待ちましょう来週も楽しみだね。


特に介護とか学習障害とか、下手に触るとバッシングが噴出しそうなテーマなのに本当に上手にまとめてる。コミカルなシーンを随所に差し込みつつ、ある種残酷な部分は隠さずズバッと見せる。クドカンって本当にすごいなとしみじみ思いました。


しかもね、キャストもすごいの。
上手い人ばっかり揃ってる。盤石の布陣。玄人の仕事をみてます。


父と婚約者のイチャイチャを目の前にした息子娘の表情見た?教科書に載ってもいいほど文句のつけようがない遠い目。全員演技がキレてるから江口のりこの突っ込みもまた一際映えるのよ。羽衣の謡が全員全力で思わず感嘆の笑いが漏れました。


そしてこのドラマの主人公、寿一はまさに長瀬にしかできないと思う。長瀬のイメージそのままって感じがしないですか。真っ直ぐで物言いがストレートで感情表現が素直で裏表のない情に厚い男。


17歳で家が嫌でプロレスの世界に飛び出し、
25年後に父を心配して実家に戻る寿一。
あんなに反発していた父の病床に駆け付け、
介護と後継のためにプロレスラーを引退し。
父が退院して皆の前に姿を現したときも真っ先に
「親父…生きてて良かった親父…」と駆け寄った。


父の入浴介助で父に対する葛藤があふれ出し、
どうしても足を洗うことができず、
「他人の私にできてどうして息子のあんたにできないのよ」と父の婚約者のさくらに叱責され「息子だから、息子だからできねんだよ」と気持ちを吐露する姿。


なんというか、寿一のはっきりした物言いに違和感がないのは、長瀬のパブリックイメージと寿一の人物像がかなりリンクしているからなんじゃないかと思う。だから、寿一のセリフが余計に輪郭のはっきりした生の言葉として響くというか。


その後、認知症のテストで自分の機能の衰えを痛感し、肩を落とす寿三郎に寿一は入浴を促す。


つたないながらも1人で寿三郎の入浴介助をする寿一が、幼い自分のお風呂入れもおむつ替えもしたことのなかった寿三郎に


「あんたがやってくれなかったことを、俺は全部やってやる。
何でだかわかるか。・・・そういうもんだからだよ」
と言うセリフ。

 

我が家にも要介護の家族がいたので、介護をとりまくさまざまな問題があることはわかっている上で、
だからこそ「子だから」「親だから」シンプルにそこにある関係性と感情に従い、簡単ではない介護に立ち向かおうとする主人公を応援したい。

 

ただ、ただね、一言言わせてもらえば、


もう少し長髪の長瀬を長く見ていたかった、ぞ・・・。


あの天使の輪すご過ぎない・・・?
どこのシャンプー使ってるんですか・・・?

 

 

クドカン×長瀬の伝説的名作。
今なら考えられないほど豪華なメンツが池袋で暴れまくる尖ったナイフのようなドラマ。
主題歌がSADSというところからして切れ味が鋭い。