「ウチの娘は、彼氏ができない!!」2話感想【すずらん商店街に住みたい】※ネタバレ有

社会を揺るがすような大事件が起こるわけでもなく、日常の中の大波小波ををえっちらおっちら漕いで暮らす友達母子の話。こういう深く考えずのんびり観られるドラマが私はとても好きです。令和に放送するドラマっぽくないという評価もあるようですが、令和っぽいとは何か…?そして令和には令和っぽいドラマのみがふさわしいのか…?

わざとらしいくらいのセリフ回し、クサいホームドラマ観てるような気持ちになれるある意味前時代を踏襲したストーリー。こういうのなんか落ち着くなーっていう人もいると思うんだよね。昭和っぽいとかそれ昭和とかやたらとドラマの中で昭和の古臭さを突っ込むセリフもあるし、つまりこれは昭和っぽいドラマですよと。もう自ら言ってるんじゃないかと。この古臭さを古くせー!って笑いながら懐かしむ、そんな楽しみ方があってもいい。

あと中村雅俊とか沢村一樹とか東啓介くんとかいろんなタイプのイケメン出てくるし眼福。私得しかない。

あと端的にオタクの格好した浜辺美波が可愛い。私もオタクですから「あんな透明ビニールのポケットに男×男もろ出しの同人誌入れるなんて破滅系オタクそういない」と思いましたけど、痛バと混ざっちゃったかなと思いましたけど、まあドラマだから。オールドスタイルなオタクがいてもまあドラマだから。

あと菅野と美波がちょくちょく逃げ込むおだやの包容力。1話も2話も何気におだやが大活躍。母も娘も励まして面倒見てやるおだや有能過ぎる。たい焼きとかサンマ焼きとかぜんざいとか焼きそばとかおでんとかあの家の中で食べる絵面だけで癒し。昔日テレで日曜正午から放送してたドラマと同じ雰囲気を感じます。

で、2話の流れとしては、碧(菅野)と空(美波)がほぼ同じタイミングで気になりだした整体師(東くん)に碧が先制アプローチ。するも伝わらず。一方空は実は隠れオタクであることを空にカミングアウトした陽キャ(岡田)に、一緒に漫画家を目指そうと誘われる。陽キャは夢見がち、碧は物事を軽く考え過ぎと怒る空。そんなとき、空は整体師にたまたま会い、とんとん拍子で一緒に上野動物園に行こうと誘われる。

娘の恋の進展を全力で喜びつつ、自分は女としてオワコンなのかと若干落ち込む様子も見せる碧。そして漱石(アレキサンドロス)に自分のモテテクが通じるか試してるところに漱石のストーカー彼女・サリー(福原遥)が乗り込んできて、サリーは漱石の女性関係を疑い不安になり過ぎて過呼吸。辛い胸の内を吐露するサリーを優しくなだめる碧。そんなサリーを見て、恋愛は簡単なものではないと気合を入れ直す空であった。的な物語でした。

印象的だったのは陽キャがネタノート見せながら空に一緒に漫画家になろうと食い下がる場面。夢見がちなオタクの世迷言のように聞いていた空もノートに書かれたストーリーのおもしろさにびっくりしながら、なんでこんな素敵な話思いつくのに隠すの?漫画描くのはオタクのやることだから?って聞くんだよね。

いや…そりゃあ隠すよ…。最近はオタクもかなりオープンな趣味になってるけど、全くオタクのオの字もないような人に私オタクで漫画家になりたいんです!って言えるかってそれは別よ。ちょっと漫画好きとかそういうレベルじゃない。少女・少年・青年の漫画雑誌何冊も買って、家の本棚にも何百冊と言う漫画があって、アニメ見てオタクイベント行って同人誌買ったりするようなレベルのオタクをカミングアウトってハードル高くないですかね。

皆自分にできることならできない人に「何でこれできないの?」って思いがちだし、自分にできないことをやればいいのにって言う人には「そんなに簡単に言うな」って思いがちなんだよね。自己中な矛盾なのほんと。

だから、空はオタクを隠す陽キャになんで隠すの?オタクが恥ずかしいの?と責めたけど、美大に未練がありながらも母ちゃんみたいに軽やかに生きられる人ばかりじゃないと反論した自分にまんま返ってくるんだよね。だから陽キャにそんなことを言う自分自身も弱虫だと気付いた。

恋愛もいいけど皆最後には自分の進みたい道に踏み出せるラストになってくれたらいいなー。主題歌のあったかい雰囲気もいい感じ。来週もお茶飲んでお菓子食いながらのんびり観ます。